中村 靖 / YASUSHI NAKAMURA

昭和音楽短期大学卒業、同大学専攻科およびディプロマコース修了後、渡欧。ブルガリア・ソフィア国立音楽院を修了。ミラノで更に研鑚を積み、1992年帰国。下八川圭祐、吉田貴壽、小船幸次郎、M.ピンカス、A.ナイデノフ、G.シミオナート、P.M.フェラーロ、G.ヴァルデンゴの諸氏に師事。

在欧中、各地で研鑚の後、ブルガリア文化省主催によるモーツァルト「カイロの鵞鳥」のドン・ピッポをはじめ、ブルガリア国立オペラでの「ドン・カルロ」のロドリーゴ、「椿姫」のジェルモン、「アイーダ」のアモナズロ、「トスカ」のスカルピアなどに出演。帰国後、厚木文化会館およびベルガモのドニゼッティ劇場での日伊文化交流ロッシーニ生誕200年記念・音楽の虹主催「ブルスキーノ氏」のフィリベルト、東成学園主催「メサイア」のバス・ソロに出演。

藤原歌劇団に1993年「ラ・ボエーム」のショナールでデビューし、96年「トスカ」の堂守、97年「マクベス」の医者、文化庁移動公演「愛の妙薬」のベルコーレ、「カルメン」のダンカイロ、99年および2000年「椿姫」のドビニー、2000年「みどりの天使」のかみなりおじさん、01年「マクベス」の医者に出演している。新国立劇場には1999年「マノン・レスコー」の旅篭屋の主人で初登場し、2000年は、藤原歌劇団共催「セビリアの理髪師」の隊長、同共催「エウゲニ・オネーギン」の隊長、「トスカ」の看守に出演し、その後もオペラ鑑賞教室「トスカ」の看守に出演を重ねる。日本オペラ協会には、1995年「山椒太夫」のタイトルロールでデビューし、「黒船」の第二の浪人と漁師、「額田女王」の陰陽師、「那須輿一」の源頼朝、「瀧廉太郎」の幸田露伴と土井晩翠、「くさびら」の主人、文化庁移動公演「夕鶴」の惣ど、「美女と野獣」の紅屋、「みづち」の村長、「たそがれは逢魔の時間」のたそがれた課長、「葵上」の家臣と出演を重ね、今年1月に紅屋で「美女と野獣」に出演。95年には文化庁芸術祭第50回記念公演「モモ」の灰色の男4に出演している。98年にはミュージカル「ファンタスティックス」にも挑戦し、活動の場を広げている。05年12月には広田智之オーボエ・リサイタルにおいて朗読を担当。渋い美声と語り口で好評を博し、その模様はNHK-FMで放送された。

2001年7月の初リサイタルでは、スペインの作曲家モンポウの歌曲集を中心に、イギリス、イタリア、ロシア、日本、フランスの作曲家による名作歌曲を熱唱し、オペラ歌手らしからぬ幅広いレパートリーを披露。近年はイギリス歌曲に傾倒し、03年7月、04年9月、05年9月にはイギリス歌曲のみのリサイタルを開催。06年5月と07年5月には、ソプラノの金子裕美とのジョイントでイギリス歌曲によるリサイタルを開催する一方、06年11月にはロシア歌曲でのソロ・リサイタルを開催。今年6月にも金子裕美とのジョイントでイギリス歌曲によるリサイタルを開催する。

現在、昭和音楽大学非常勤講師、(財)日本オペラ振興会オペラ歌手育成部講師。藤原歌劇団団員。日本演奏連盟会員。日本・ロシア音楽家協会会員。日本ブリテン協会理事。